Azusaブランドの生い立ち
Azusaブランド誕生の背景とこれまでの経緯
西暦1967年創業のブランドホルダーである南安精工が、1980年に法人化され、同時に腕時計に関わる事業をスタートさせました。最初の仕事は、時計部品の製造を大手時計メーカーから請け負ったところからスタートしました。専用の治具を使い、1個1個人の手で部品を作り込んでいく仕事で、多勢の作業者がこの製造に携わっていました。
それから約20数年かけて、弊社は時計の部品製造から機械化されたムーブメント製造(組立)まで業務を拡大し、生産数も桁違いに増えました。
そのピークは西暦2000年前後で、当時はクォーツウォッチの全盛期。24時間・年300日以上ラインを稼働させ、年数千万個のムーブメントを製造していました。
そんな華やかで慌ただしい中、大手時計メーカーの工場でメカ時計に携わっていた古参のメンバーが、定年で密かに次々と退職していきました。
この頃、日本の大手メーカー各社はクォーツのソーラー化、電波化などの開発が盛んに行なわれていました。しかし、メカ時計について国内では表だった開発の情報は無く、一部生産を残す程度で、日本の大手メーカーが新製品開発に力を入れている雰囲気は薄かったと記憶しています。(この少し後、C社がメカ時計ムーブメントの開発に力を入れ始めたとの情報がありました。)
その頃のスイスブランドは、素晴らしいメカ時計を次々に世に送り出していました。それに対して、1960年代から1970年代にかけて時計技術を競い世界一位になった日本の時計メーカーは、技術者や職人が退職していく状況で、メカ時計の技術が引き継がれないことに危機感を感じました。(個人的な感想)
そして、南安精工社内にメカ時計に携わる部署を小規模ながらに創設し、メーカーを定年退職した人達に協力頂きながら、メカ時計にこだわった腕時計(完成品)の事業化を目指しました。
そして、2004年に時計修理・製造を行う時計屋復刻堂を立ち上げました。この目的は、時計の技術を磨き、製造・修理にその技術を活かして商売をすることです。
この時計屋復刻堂で、当時、長野県時計宝飾眼鏡商業協同組合で推進していた時計修理の技能検定への参加・協力や、組合で販売した「TAKUMiSM Shinshu」Watchの第一弾(2006年)、第二弾、第3弾の開発・製造を行いました。(同組合は現在、残念ながら解散してしまいました。)
そして、この頃から自社ブランド時計の開発を本格的に始めました。
2007年8月、時計修理の受付やオリジナル時計の販売を目的に、時計屋復刻堂の店舗をオープンさせました。このタイミングで発表したかったAzusa「Premier」は、開発を進めていたものの各種部品製造に難儀し、商品化ができませんでした。ちなみに、この年からAzusa「Classic」の開発もスタートさせました。
2009年、南安精工発のオリジナル時計ブランド「Azusa」を発表。最初に発売できたモデルは「Classic」でした。
Azusaに込めた思い
この地から日本海に流れ出る日本一長い川「信濃川」の上流地域の名称である「あずさ」を、日本一長く慕われる思いを込めて。
日本国長野県安曇野市から、まずは日本全国(東京)への進出を、この地域から東京に向かう特急電車「あずさ」に重ねて。
時計のブランド紹介時に最初に記載されるであろう「A」の頭文字のブランドをイメージして。
身に付けるアイテムとして長くお付き合いでき、自分史が作れる相棒を目指して(永く使えるメカ時計を中心とするブランド)。
そんな歴史の中で発生した大きな事件
2011年、株式会社南安精工の主力事業であるウォッチムーブメント製造の委託事業が、全て委託元のメーカーに引上げとなりました。これにより南安精工売上げの90%以上の事業が無くなり、それに伴い時計屋と時計工房も、関わっていたメンバー5人中3人が退職し、南安精工代表の私と店舗担当の1名が残るのみとなってしまいました。(2007年のピーク時、総勢約150名で運営していた工場の人員が、2011年4月には社長以下18名となりました。)
それでも、時計の修理やオーバーホールは、社長と他部署で会社に残った一部の社員、そして時計メーカーを退職した技術者の方に協力してもらいながら店舗営業を維持し、腕時計の開発は装置設計メンバーに協力してもらいながら進めていました。ちょうど東日本大震災の年でした。
そんな逆境の中で2012年に発売したのが、「絆_KIZUNA」でした。
この「絆」については、売上金額の一部を震災地域に寄付するということを伴いながら、259個の限定で販売しました。(現在は完売し、ディスコンとなっています。)
その後、オリジナルブランドの他、OEM・ODM時計組立や時計販売・修理の事業を少しずつ広げ、メンバーも増やし、現在(2026年9月)、Azusaブランドは株式会社南安精工スタッフ(時計職人・技術系スタッフ6名、組立メンバー7名、販売・営業・調達・運営管理スタッフ4名、部品加工メンバー3名)と、外部協力メンバーの協力を得ながら運営されています。
その運営母体である株式会社南安精工は、2026年10月で創業59年、時計事業をスタートして46年となります。これからも、お客様が購入し満足頂きながら永く使ってもらえるピース(デザイン・機能・環境)を目指していきます。
Azusaブランドの特徴
- メカムーブメントを使ったタイムピース
- 日本製(Made in Japan)、自社製造へのこだわり
- デザインは懐かしく、機能・使い勝手は新しく
- 一般(様々なメーカーの商品)の腕時計修理の経験を活かした商品企画・商品設計
- 時計製造に関わった46年の歴史で育まれたブランド(販売系のブランドホルダーは多いが、製造系のブランドホルダーは少ない)
- 自社で持っている微細・精密な加工技術(時計部品製作等)と、伝統的な職人技を活かしたタイムピース